理事長 柳原直人
再生医療の産業化を目指して
幹細胞評価基盤技術研究組合は、ヒト幹細胞の実用化に向けた評価基盤技術の開発を推進するため、平成23年2月に設立されました。
平成23年度から平成25年度は、経済産業省の「健康安心イノベーションプログラム」のひとつとして、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業に採択され、「ヒト幹細胞実用化に向けた評価基盤技術開発」を実施しました。
この事業をさらに発展させて再生医療の実用化・産業化に繋げるため、平成26年度から新たなメンバーを加えて、NEDO事業「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発」の採択を受けて研究開発を開始、平成27年度からは国立研究開発法人 日本医療研究開発機構構(AMED)に管理法人を移して、再生医療の産業化に向けたプロジェクトを推進しています。
平成29年9月からは、新たにAMED事業「再生医療技術を応用した創薬支援基盤技術の開発」の採択を受けて、更にメンバーを加えて再生医療技術の社会実装に向けて新たな研究開発の取り組みをスタートしました。
細胞製造・加工システム事業では、ES細胞やiPS細胞等のヒト多能性幹細胞とヒト間葉系幹細胞の2種類を対象として、再生医療製品、及びその原料となるヒト幹細胞を製造・加工するための各プロセスを連携させた新たな製造システムの開発を行っています。具体的には、対象となる疾患や適用する術式に対応した再生医療製品及びヒト幹細胞を製造・加工・提供する上で必要となる、採取、拡大培養、分化誘導、加工、評価、保存、輸送、品質管理等の各プロセスの開発を行います。また、各プロセスの正確性や確実性を担保するための工程管理技術として、個別要素技術の自動化装置や培地・基材・容器等の周辺製品を開発します。さらに、これらを最適に組み合わせ連携させた製造システムを構築した上で実際に製造を行い評価します。最終的には、臨床研究等で実際に使用できるレベルの細胞または細胞製品を製造できるようにすることを目指します。
創薬支援基盤事業では、ES細胞やiPS細胞から分化誘導される各種臓器の細胞を応用し、医薬品候補化合物の安全性や薬物動態等の評価システムの基盤技術開発を行い、幹細胞の創薬への活用を加速することを目的とします。具体的には、各種臓器の細胞を立体培養や共培養等の高度培養技術で培養し、チップ等のデバイス上に搭載したシステムを構築し、デバイス上での化合物の評価技術を具現化し、社会実装のための礎の構築を目指します。また、開発プロセスや目標の設定に際して、製薬企業等のユーザーニーズを取り入れることで、事業の実効性・有効性を促進します。
平成26年9月に再生医療新法が施行され、再生医療の実用化・産業化の推進に向けてわが国は大きく動き出しています。再生医療の社会実装を後押しする時流に乗り、事業に参画するアカデミア、幹細胞評価基盤技術研究組合に参画する多くの企業の技術・叡智を結集して再生医療の実用化・産業化に向けて邁進していきます。また、再生医療の産業化推進に取り組んでいる産業団体である一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム(略称FIRM)とも連携し、国際標準化に向けた取り組みも進めてまいります。
理事長として、微力ではありますが、組合の運営、研究開発の推進に尽力してまいる所存です。関係する皆様のご支援とご鞭撻をお願いいたします。
- 名 称
- 幹細胞評価基盤技術研究組合
- 住 所
- 〒104-0032 東京都中央区八丁堀 2-26-9グランデビルディング8F
- 代表者名
- 理事長 柳原 直人(富士フイルム株式会社 取締役)
- 電話番号
- 03-5541-2790
- FAX番号
- 03-6280-3486
- ホームページアドレス
- http://www.scetra.or.jp
- メールアドレス
- info[at]scetra.or.jp (送信する際は[at]を@としてください)
- 設 立
- 平成23年2月16日
- 従業員
- 18名(平成30年1月現在)
- 事業内容
- 医療応用の実用化を目指した、幹細胞評価基盤技術の開発
- 取引銀行
- 三菱東京UFJ銀行